米 ＦＲＢ会合 １年ぶりの利上げへ議論

アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会は、１３日から２日間の日程で金融政策を決める会合を開き、１年ぶりの利上げに向けた議論を行います。市場では今回の会合でＦＲＢが追加の利上げに踏み切るという見方が大勢となっています。

ＦＲＢは１３日からワシントンで金融政策を決める会合を開き、１年ぶりの利上げに向けた議論を行います。前回、先月の会合では、アメリカ経済はことし前半の緩やかなペースから成長が加速しているとして、ほとんどの参加者が「比較的、早い時期に金利を引き上げるのが適切だ」という考えを示していました。

さらに今月初めに発表された雇用統計で雇用の堅調な伸びが確認されるなど、このところ好調な経済指標が相次いでいて、市場関係者の間では今回の会合で追加の利上げに踏み切るという見方が大勢を占めています。

そのうえで市場では、トランプ次期大統領が打ち出しているインフラへの巨額の投資など、経済政策が具体化するのを前に、来年以降の利上げのペースや経済の先行きについてどのような議論が行われるか注目が集まっています。

建設業界 インフラ投資に期待
トランプ次期大統領はインフラ投資に今後１０年間で１００兆円以上を投じるとしています。大規模な投資への期待からニューヨーク株式市場ではダウ平均株価が連日最高値を更新するなど「トランプ相場」が続いています。

こうした中、アメリカ建設業協会が今月５日から３日間の日程でラスベガスで開いたイベントには最新の情報を仕入れようと建設会社や建設コンサルタントなど大勢の関係者が集まりました。このうち協会のトップ、サンダーＣＥＯは７日の講演で「われわれはこれまで以上に攻めの経営をすることができるだろう」と述べ、トランプ氏の大規模なインフラ投資への期待感を示しました。

また、今回のイベントでは関係者どうしで情報を交換する機会を提供しようと交流会も開かれました。参加した建設関係者は「巨額のインフラ投資はアメリカにとってプラスのニュースになるだろう。トランプ氏はそれを実現する男だと思う」と話していました。

ただ、トランプ氏はこうしたインフラへの巨額の投資などみずからの経済政策について、具体的な内容を明らかにしていません。アメリカの中央銀行にあたるＦＲＢ＝連邦準備制度理事会のイエレン議長は先月１７日、議会で証言し、トランプ氏の政策が金融政策に与える影響について「不透明な状況が長く続きそうだ」と述べ新政権の政策を注視していく考えを示しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161213/k10010804641000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_003